【5/7締切】令和7年度第2回金沢工業大学IDESメンバーシップ講習会開催のご案内
公開日: 2025年4月21日
■プログラム■
15:30~17:00
講演『令和6年1月1日能登半島地震からの復旧遅れと9月21日奥能登豪雨との二重災害』
金沢工業大学 地域防災環境科学研究所
特任教授 川村 國夫 氏
【概要】
令和6年1月1日に発生したM7.6の能登半島地震は半島災害に対して大きな教訓を残した。それは、「初動体制の遅れ」にある。「ひと、こえ、もの、の断絶」が起こり、早期支援が大幅に遅れたことである。その原因は、半島内道路や半島アクセス道路の壊滅的な損傷から、超高齢化社会での耐震化の遅れまで、半島の特徴が挙げられる。この遅れは、現在、300名近くの災害関連死と、いまだ200名以上の災害関連死申請が深刻さを物語る。初動体制の遅れは復旧、復興の遅れにも強く関わる。いまだ避難所生活にある被災者や半島一部で緊急車両さえ通行できない実状がある。加えて、同年9月21日400mm/日以上の豪雨が地震からの復旧、復興を大幅に遅らせた。この地震と豪雨との二重災害は仮設住宅を浸水させ、夥しい土砂や倒木が地震被災者を急襲するなど復旧遅れに輪をかけた。ここでは、半島災害、特に、道路災害に対して実効性が実証できた対策工法や、徹底した現場調査に基づく地震と豪雨の二重災害メカニズムの解明から、半島災害に対する減災の対応策を提示していく。