一般社団法人 石川県建築士事務所協会

建築士事務所の皆様へ

務報酬基準積算ログラム

業務報酬基準積算プログラム作成(告示98号対応版)のご案内

協会では国交省告示第98号に基づき簡単に作業時間や業務報酬を求めることができるプログラムをMS社のエクセルをベースにして作成しました。

今回の告示での主な改定について

  • 略算のため基本業務量が見直されました。
  • 複合建築物を扱えるようになりました。
  • 難易度係数による補正がより詳細になりました。
  • 業務報酬目安=業務量×人件費単価×2.1+特別経費+技術料等経費+消費税というように略算率2.0倍から2.1倍に変更になりました。
  • 業務細分率がなくなり、基本設計と実施設計の業務比率が設定されました。

このプログラムの使用を希望される方は、下記添付ファイルの「申込書」に必要事項を記入の上、お申し込み下さい。

使用料
(一社)石川県建築士事務所協会会員  3,300円(税込)
一 般(当協会会員以外)  11,000円(税込)

業務報酬基準(国土交通省告示98号)の概要について

平成31年1月21日に国土交通省から「建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準」として告示第98号が出され、これまでの基準であった平成21年建設省告示第15号は廃止となりました。
今回の改定では、略算方法に用いる略算表を全面的に刷新するとともに、設計等の業務の難易度の反映方法の充実、標準業務内容の明確化などが行われており、詳しい内容は当ページの末尾にある各リンクを参照して下さい。

実費加算方法と略算方法

業務報酬の算定方法は、費用の積み上げにより算定する「実費加算方法」と実効性を考慮した「略算方法」 の2つ方法を規定。

Ⅰ:実費加算方法

標準業務に追加業務等も含んだ業務を対象に、直接人件費、特別経費、間接経費及び技術料等経費を個別に積み上げて合算する方法。

  • 直接人件費:給与、諸手当、賞与、退職給与、法定保険料等を含む一日当たりの額。
  • 特別経費:出張旅費、特許使用料その他の建築主の特別の依頼に基づき必要となる費用。
  • 直接経費:印刷製本、複写費、交通費等設計業務関して直接となる費用。
  • 間接経費:建築士事務所を管理運営していくのに必要な人件費、調査研究費、研修費、減価償却費、通信費、消耗品費等の費用。
  • 技術料等経費:設計の業務において発揮される技術力、創造力等の対価として支払われる費用。

Ⅱ:略算方法

建築物の新築を前提(増改築・用途変更や、略算表に示す面積範囲外は適用できない。)として、標準業務を対象に、直接人件費を略算表から算定し、直接経費と間接経費を算出する方法。(特別経費と技術料等経費は個別に算出し合算)

1 直接人件費等に関する略算方法による算定(告示第四)
  • 直接人件費について、告示別添三に基づく略算表を用いて算定
  • 直接経費と間接経費の合計については、直接人件費に1.1を基本とする倍数を乗じて算定
    略算方法による報酬額の算定方法
    業務報酬=直接人件費※×2.1+特別経費+技術料等経費+消費税相当額
    ※ 告示別添三別表の標準業務人・時間数に人件費単価を乗じて算出。追加的な業務を行う場合は、標準業務人・時間数に追加業務分に係る業務人・時間数を付加
2 標準業務人・時間数(告示別表第1から第15)

略算表に示される業務量(標準業務人・時間数)は、一級建築士の免許取得後2年相当の技術者(国土交通省公表の「業務委託等技術者単価」技術者の職種「技師C」で換算した業務量であり、略算表による業務自体は、現実の業務従業員の技術レベルに応じて変わることに留意すること

3 業務料の比率

一部の業務のみを行う場合でも概算方法を用いて業務報酬を算定できるよう、技術的助言に業務比率表を規定

業務量=設計に係る標準業務量×業務比率(下表)+個別算定業務

業務分野 第 1 類 第 2 類
基本設計 実施設計等 基本設計 実施設計等
総 合 29% 71% 29% 71%
構 造 23% 77% 25% 75%
設 備 22% 78% 27% 73%
4 複合建築物に係る略算方法の準用について
  • 略算方法に準じた方法を適用可能な複合建築物について
    複数の建築物の類型(告示別添二)から構成される建築物(主用途が明らかな場合を除く)
  • 略算方法に準じた方法による業務量の算定方法
    ①エキスパンションジョイントなどにより構造的に区分可能な場合
     各用途毎に略算表を適用し得た業務量を合算
    ② ①以外の場合、独立運用可能かどうかで算出
    ・単純合算法による業務量×複合化係数
    ・加重平均法による業務量×複合化係数
独立運用可能な場合 独立運用できない場合
設 計 工事監理等 設 計 工事監理等
総 合 1.00 0.95 1.00 1.05
構 造 0.85 0.75 0.90 0.70
設 備 1.00 0.80 1.05 0.70

標準業務・標準外業務とは

  • 標準業務は、略算方法における直接人件費の算定の基礎となる業務量で、告示第98号の別添一に規定する業務で、通常行われる、個別事例によって業務内容に著しい差異がないと想定される業務から構成。
  • 標準外業務は、標準業務に付随する追加業務であって、契約前に委託する業務の内容とそれに係る業務量の見積徴収等により当事者間で協議を行い、合意に基づいて実施される業務。

Ⅰ:標準業務

設計又は工事監理に必要な情報が提示されている場合に、一般的な設計受託契約又は工事監理契約に基づいて、その債務を履行するために行う業務。従って、建築物の敷地の選定や、資金計画等の事業計画の策定に係る企画業務、土質や埋蔵文化財に係る調査業務等設計に必要な情報を得るための調査、企画等に係る業務が実施されていることが前提。

Ⅱ:標準外業務

業務報酬基準の対象とする業務のうち、標準業務に含まれない業務で、標準業務に付随して行われる業務については、告示別添四に主な内容が例示されている。なお、略算方法を用いて報酬を算定する場合は、個別に業務量を算定し加算することが必要。

【参考】 業務報酬関連リンク