【3/13締切】令和6年度第12回金沢工業大学IDESメンバーシップ講習会開催のご案内
公開日: 2025年2月26日
■プログラム■
15:30~17:00
講演『過大な積雪による既存木造建築物の倒壊原因と耐雪補強』
金沢工業大学 地域防災環境科学研究所
教授 西村 督 氏
【概要】
多雪地域、特に最深積雪量が2mを超える山間部の既存木造建物に対して、倒壊を回避するために一定量の積雪に達すると屋根雪下ろしを実施する荷重低減の慣習もありましたが、過疎・高齢化が進み高齢者一人暮らしの場合、屋根雪下ろしが困難という問題を抱えています。
平成18年豪雪で木造家屋の桁行架構が家屋の外側に倒れ、小屋組が崩落しました。その後の被害調査で小屋梁端部の兜および断面中央で繊維方向に割裂が確認されています。講演者らは主架構の非線形解析の結果を分析し、小屋梁のせん断割裂の発生が仕口の曲げ剛性を急激に低下させ、倒壊に至る架構全体の座屈を引き起こした可能性を指摘しました。
倒壊原因が主架構の接合部破壊であれば、既存木造家屋の耐雪補強方針の一つは、架構の座屈耐力を低下させる仕口部の破壊防止です。
講演者らは小屋梁が桁梁より先行して割裂する破壊に対して、小屋梁端部に補強シートを巻く補強方法を提案し軒桁-小屋梁仕口部を想定したせん断試験を実施しました。
本講習会では、被災した木造建築物の倒壊原因の分析と講演者が提示した耐雪補強法の実験結果を報告します。